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- 男性育休の取得率は2023年度に30％と過去最高に達し、社会全体が父親の育児参加を歓迎する方向に向かっています。しかし、多くの男性が育休から復職するとすぐに長時間残業に戻ってしまい、育児との両立が困難になっています。この問題は、制度だけでなく企業文化や職場環境の改革も必要であることを浮き彫りにしています。
男性育休取得率は過去最高に！でも“復職後の残業”が障害に
法改正で取得しやすくなった背景
2024年の育児・介護休業法改正により、男性もより取りやすくなった育休制度。育休給付金の上乗せや、残業免除対象期間の延長など、制度面では整備が進んでいます。
職場の無理解と取得ハードル
厚労省の調査では、男性正社員の育児による残業免除の申請率は6.5％にとどまり、制度があっても実際に使えていない実情があります。職場の空気や業務の都合で取得を諦めるケースも多数です。
【リアルな声】復職直後の“残業地獄”と家庭崩壊のリスク
1ヶ月で元の長時間労働に逆戻り
「育休から戻ったらすぐに深夜帰宅が当たり前に」。東京都内で働く30代男性の声は、多くの共働き家庭に共通の悩みを示しています。
妻の復職断念や育児負担の偏り
男性が残業続きだと、育児と家事の全負担が女性に集中します。結果として女性のキャリア中断や退職リスクが高まり、社会的損失につながります。
【構造的課題】なぜ男性の育児参加は進まないのか？
ロールモデル不足が孤立を生む
10年前は取得率2.7％。前例が少ないため、職場で悩みを共有できる存在がいないことが、育児と仕事を両立したい男性の心理的障壁となっています。
過労死ラインを超える“ダブルワーク”
国立成育医療研究センターの試算では、家事・育児に2.5時間割くためには労働時間を9.5時間以内に抑える必要がありますが、現実は12時間超えが19％と、危険な働き方が放置されています。
【制度と現実の差】残業免除制度の認知と利用実態
利用率が低すぎる「残業免除制度」
小学校入学前まで適用される新制度ですが、実際の利用率はわずか6.5％。特に中小企業では制度説明さえ行われていないケースも多く、情報格差が問題です。
テレワークや時短勤務の義務化に期待
10月からは企業に対し、テレワーク・短時間勤務など2つ以上の選択肢を義務化する新制度が施行予定。職場環境の変革が求められています。
【成功事例】企業の独自施策が示す突破口
三井住友海上の“同僚支援制度”
育休取得者の同僚に一時金を支給することで、チーム全体で支え合う文化を醸成。この仕組みは中小企業にも展開され始めています。
育児経験が商品開発にも好影響
ナリス化粧品では、男性社員の育休体験を日焼け止めクリームの開発に活用。育児経験が企業の成長資産になる好例です。
【今後の展望】給付金拡充と社会全体の変化
最大28日間の“実質10割支給”とは？
2024年4月から、夫婦で14日以上育休を取得すれば、給付金に上乗せがあり実質手取り10割相当が支給されます。金銭面の不安を解消する大きな一歩です。
本当の働き方改革には“意識改革”が必要
制度だけでなく、働く側・雇う側・社会全体の意識改革が不可欠です。「育児しながら働く」が当たり前になる時代へ、今が正念場です。
FAQ
Q1: 男性育休の後、残業が元通りになるのはなぜ？
A1: 業務の見直しが不十分であること、職場に人員的な余裕がないことが主な原因です。制度があるだけでは解決せず、組織の調整力と意識改革が必要です。
Q2: 残業免除制度は誰でも使えるの？
A2: 育児・介護休業法に基づいて子の年齢に応じた条件を満たせば、正社員に限らず申請可能です。ただし企業の対応体制には差があります。
Q3: 中小企業で育休が取りにくいのは本当？
A3: 実態として制度周知が遅れている中小企業も多く、情報不足が障壁になっています。公的支援を活用した社内説明会などが有効です。
Q4: 育休後の働き方改革に必要なものは？
A4: 制度の整備だけでなく、上司・同僚の理解、時間外労働の見直し、ロールモデルの存在が重要です。全社的な意識改革が求められます。
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